阿部《あべ》春奈《はるな》編

35/62
前へ
/3000ページ
次へ
言われた亜美も嬉しそうに 笑顔で応えているし まるで春奈の存在を なかったものにしているかのよう。 「これなら彼氏もお袋さんじゃなくて 春奈ちゃんを選んでくれるよ」 「話が筒抜けだ・・・・」 亜美が知っていることはわかる。 教えてもらうのだから 小杉に理由を話してくれとお願いしたから。 でも明宏まで知っているとは・・・ 「ごめんね。 敦子ちゃんから話しを聞いてるとき この人もそばから離れなくってね」 申し訳なさそうなのは亜美の方だけ。 明宏はあっという間に食べ終わったため 網棚に再び視線を向けている。 「なあに?お腹が空いているの?」 「ああ。昼が早かったからさ。 俺が食べていいものってない?」 「じゃあサンドイッチ食べる? これだったら食べてもいいよ」 先ほど春奈も手伝ったサンドイッチ。 夜の営業用に作ったはずなのに。 気前よくサンドイッチが並べられている バッドごと差し出していた。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3016人が本棚に入れています
本棚に追加