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「指輪をしてるってことはさ
結婚が決まったってことでしょ?」
隣りに座った小杉が
春奈の左手を持ち上げる。
「うん。プロポーズをしてもらったし
私もそれを受けたんだけどさ・・・。
今はちょっと考えちゃってる」
左手にハメた指輪を抜き取って
顔の前で光にかざしたりして言うと
「マリッジブルーとは違うって事?
何か、結婚するには不安があるの?」
「・・・・・・・・うん」
戸惑いながらも、肯いた。
ここのところずっと
自分にまとっていた不安の理由を
今ここで、はっきりと認めたってことだ。
「・・・・・・・・・・」
真意を窺おうとしているのか
小杉は何も答えずだが
じっと春奈の表情を読み取るように
目を逸らすことをしない。
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