阿部《あべ》春奈《はるな》編

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話を始める前に カウンターの上に置かれたお酒を クイッとあおるように飲み込み 「相手の男性はいい人なのよ。 仕事もできるようだし 人付き合いもそれなりのようだし。 私も、そこのところの不満はないの」 一気に話し始めた春奈のことを 小杉もグラスを持ったまま聞き入る 「でもね、 彼氏自体には不満はないんだけど・・・・」 「彼氏のお母さんには、あるって事?」 春奈の会話を小杉が繋げた。 「うん。そうなんだ」 隠すこともなくすんなりと認めた。 「あのね、長くなっちゃうんだけど。 聞いてくれる?」 背の高いスツールから一度降りた春奈は もう一度深く座りなおした。
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