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一人の男が、笑っていた。
星空が咲く夜空の下。
ブランコに座り、不気味に笑っていた。
子供の姿など既に無く、鉄の軋む音だけが公園に響く。
「灯の下、華麗に舞う夜蝶は誰だ。」
何かを探し求めるように。
時に耳を、時に目を使い。
辺りを躊躇い無く探索し始める。
やがて、動きを止めたかと思うと。
「みーつけた」
小さな、小さな声で呟いた。
そのまま、何もする事なく、男は闇へと溶けていった。
立ち去った後に、蝶が一匹。
月の下、輝きを放つその蝶はふわりと舞い、すぐに見えなくなってしまった。
「さあ、教えてくれ。」
暗闇の中、声が響く。
「お前はダレだ?」
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