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だから。
「んん~~~~…!!!」
両手を目一杯後ろに伸ばし、メイミンの体が豊満な胸を強調するように弓のように力を蓄える。
恨めしげに見ているクレナはいいとして。
「―――はあッッ!!!!」
溜めた力を解き放ち、二つの掌底が突き出される。
ボボゥッッッ!!!!と空気が消し飛ぶような音を発して、掌底により発生した風圧が老夫婦をさらに上へと押し上げた。
そして、赤い閃光を撒き散らし、二つの大爆発が大気を震わせた。
「桐弥ー!イェーイ!!」
拳を掲げるメイミンに親指を立てる桐弥。爆風を魔力の壁で防ぎ無表情で爆発を眺めるクレナ。
取るに足りない小さな危険。
焦りすらない揺るぎない心。
これが、世界的に平和の象徴と呼ばれし『英雄』たち(一人のバカは除く)。
「おや?クレナさま、山から戦車などが出てきましたよ?」
「本隊のお出ましかな」
「おおー!ロボットだ!羽のあるロボットがいる!カッコいいー!」
「いよいよだね」
彼らが戦ったのは、世界を支配していた魔王とその配下だ。
たかがテロリストごときに遅れをとることなどありはしないのだ。
そして―――。
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