第1章

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   その街は一際輝いていた。  まるで、その街以外は闇の世界のように。 「今日って、地球ではバレンタインデーって言う祭りがあったって知ってるかな?」  くすんだ夜空の下で少女は呟いた。 「祭? 聞いたことがないな~。月面図書館に載ってる?」  少年は星が見えない空を見上げた。  冬設定は嫌い何だよなと思いながら眉を寄せる。 「これあげるから、絶対意味を調べてよ。絶対だからね」  幼なじみの少女が、なぜかふくれっ面で睨んでくる。  手渡されたプレゼントを見たがら、少年は意味も分からずに「おう」とだけ答えた。  日照時間になったら、仕方ないが外に繰り出す事にしようと諦め気味に決意した。  寂しがりやの幼なじみは、へそを曲げると面倒になるのは何時もの事であった。     
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