8:35a.m.

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スマホを見る。 ― 8:40 10月15日 Wed. いくら仕事が休みとはいえ、そろそろ起きてもいい頃だ。 オレは枕に肘をついて横を向き、透の髪をそっと指で梳く。 さらさらとした手触りをたのしんだあと、昨夜何度もキスをした唇に触れる。 弾力をチェックするように押すと、透がみじろぎをしてオレの方へ向く。 起きるかと思ったけど、また眠りの世界に吸い込まれてしまった。 流れた髪のすき間から耳が見える。 古代の巻貝のように神秘的なカーブを描く耳殻を指先でなぞる。 「ん」 小さな声が漏れて、唇がオレを誘うように薄く開く。
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