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― 8:40 10月15日 Wed.
いくら仕事が休みとはいえ、そろそろ起きてもいい頃だ。
オレは枕に肘をついて横を向き、透の髪をそっと指で梳く。
さらさらとした手触りをたのしんだあと、昨夜何度もキスをした唇に触れる。
弾力をチェックするように押すと、透がみじろぎをしてオレの方へ向く。
起きるかと思ったけど、また眠りの世界に吸い込まれてしまった。
流れた髪のすき間から耳が見える。
古代の巻貝のように神秘的なカーブを描く耳殻を指先でなぞる。
「ん」
小さな声が漏れて、唇がオレを誘うように薄く開く。
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