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ストーブの優しい暖かさが室内を満たし、窓をうっすらと曇らせていた。
ベッドに腰掛ける貴女と指を絡ませて、部屋よりもずっと熱の籠った吐息を交すように唇を重ねる。
「んっ……か、なめく」
「んー?」
キスの合間に何か言おうとする、夏希さんの唇を舐めて邪魔して、また深く重ね合わせた。
あんまりがっついたら、まるで余裕がないみたいだし。
できるだけ優しく、と思ってたけど。
ついベッドに膝を乗せて、覆い被さるみたいな姿勢で前のめりになってしまう。
まあいいや。
余裕がないのは本当だし、貴女の前ではどうやら僕は
覚えたての猿みたいなもんだ。
だって散々我慢したしね。
お預けくらったしね!
長くキスをし過ぎたせいで、息苦しいのか片手で僕の胸を叩いた。
その手首を捕まえると、僕は彼女の唇を解放して手の指一つ一つに口づける。
「ま……待って、ねえ」
「いや。もう散々我慢した」
親指から、小指まで。
キスし終えたら、今度は手のひらと手首に。
「我慢って」
「したもん。貴女の寝顔散々見せられてどんだけ悶々とさせられたと思ってるの」
自分の息が、酷く熱くて
身体の中心にも、熱が籠って仕方ない。
きっと今僕は、貴女に酷く見るに堪えない顔を見せている気がするけど。
「も、悶々って……」
「責任取ってね」
「そ、そんなの知らないわよっ……」
ああ、服が。
肌を覆う布が邪魔。
上擦った抗議の声も全部無視して、首筋に顔を埋めながら僕は性急な手で丁寧に、我慢した分それはそれは執拗に、彼女の身体を暴いていった。
白い肌が全部、桃色に染まり
貴女の声が一際高く、やがて擦れて消えるまで。
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