貴方

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2月14日19時 点々と輝く夜景を一望できる高台で、2人の若い男女子が虚ろな目で見降ろしていた。 「・・来ないな・・・・」 「・・・うん・・・」 彼女は階段に座り、自分の膝に顔をうずめる。彼は腕時計を見て時間を確認しながら溜息をつく。 彼女はある告白の為、今日まで彼に協力を頼んでいた。 チョコ作りや告白の内容、彼女の為に彼は協力していた。 その為、彼は苛立っている。約束の時間が過ぎても誰も来ないことに。 「……どうする………待つか?」 彼女は無言だ。彼女の華奢な体は弱弱しく震えていた。 「あと2分。過ぎたら、帰ろう」
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