――― 第一章 ―――
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「山口くん」 「はい?」 こくっと首を傾げる彼は、ジャニーズに入れるくらいの美貌を持っている。これで空気が読めればな、と思ってしまうのは高望みか。だがそれすらも、あの事務所に入れば「愛おしさ」に変わるのだろう。 「……頑張って終わらせますね」 「じゃ、七時までに頑張って終わらせてください」 原部は壁時計をチラリと見た。――あと一時間。
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