天然彼女と優しい狼さん

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お腹の音を聞かれた私は照れ笑いを浮かべ、ふわりさんもクスッと笑う。 そしてこう続けた。 「露天風呂?あぁ、旅行の?……もしかして、混浴とか考えてる?」 「はいっ!もっちろん!!」 元気いっぱい返事をした。なのに、ふわりさんは苦い顔だ。 その顔に頬が膨れ上がる。 「もう、温泉に行くのに一緒にお風呂に入らないなんて聞いたことがありません!私の読んだ漫画では、主人公たちが一緒にお風呂に入っているシーンが盛りだくさんなんですよ!私もあんなふうにイチャイチャしたい!」 「だから、それは漫画の中の世界で……あぁ、もうこんな事になるのなら勧めるんじゃなかった」 彼はそう言うと頭を抱えて唸っていた。 実を言うと、今の私の恋愛のバイブルはふわりさんが勧めてくれた、大人の女性が読むちょっとえっちな漫画ばかりなのだ。
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