1007人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん~ん……」
腕を伸ばして思いっきり背伸びをした。
寝ぼけ眼を擦ると、次第にハッキリしてくる視界。
自分の部屋ではない天井を3秒くらい仰いだ私は、ゆっくりと隣に眠っている彼へと首を傾けた。
「_____あれ?いない……」
隣で眠っているはずの彼の姿がない。
いくら完璧人間の彼でも透明人間になれるはずがないから、私は起き上がり部屋全体を見渡した。
「ふわりさーん……」
寝起きのか細い声で、昨日も飽きるくらい呼び続けた彼の名前を呼んだ。
昨夜は呼べばすぐに答えてくれるのに、今は小さな声さえも聞こえない。
「あれ?ふわりさーん」
散らばっていた自分の服をかき集めて、一つずつ身に着けていく。
彼の服はなくなっているところを見ると、すでに着用済みみたいだ。
最初のコメントを投稿しよう!