天然彼女と優しい狼さん

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ペタペタッと裸足の足音を鳴らせて、キッチン、玄関、押し入れ、お風呂っと確認する。 あれー……?どこにもいない。 「ふわりさーん」 私は最後に残っていた一つの扉を開けた。 「うわっ!わわっ!花梨ちゃん、開けちゃダメだよ!!」 「あはっ。ここにいたー」 「早く閉めて!!」 いなくなったと思っていた彼は、トイレにいたんだ。 ホッとした私とは反対に彼は大慌てで背を向け、泣きそうな声になりながら私にドアを閉めるように懇願していた。
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