天然彼女と優しい狼さん

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まぁ、一番の原因は包丁で指を切った私がなかなか泣き止まない事が多々あったせいで、見ていられなくなったふわりさんに交代してもらったらいつの間にかこうなっていたんだけど。 でも、作ってもらうばかりじゃ申し訳ない。 だから、彼が朝ご飯を作ってくれている間、洗濯やお掃除は私のお仕事。 常日頃、会社でも色んなフロアの人達に呼び出されて雑務をこなしているおかげで、フットワークだけは軽い。 今日もさっそくゴミ捨ての用意でもしようかな?っと思っていたら、普段嫌でも耳に入って来る嫌味が頭の中にフッと聞こえてきた。 『またゴミ集めですか?飽きもせずよく、そんな無駄な労働が出来ますね』 「うわっ……何で聞こえてくるの……」 「んっ?花梨ちゃん何か言った?」 「いえっ!何も!」 ふわりさんの優しい問いかけで、意識が現実に引き戻された。 せっかくの彼との朝なのに、あの男の声が聞こえてくるなんて本っ当、最悪だ!!
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