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「……きっと、姉さんがあなたを見つければ、確実に姉さんがあなたを殺す。
だけど、僕は姉さんにそんなことはしてほしくない!
手を汚すとかそんなことじゃないんだ……!」
僕は掴まれた手とは反対の方向で拳銃を抜いた。
そして銃口をロコの胸に押し付ける。
「……結局、自分のハッピーエンドじゃなくて他人のハッピーエンドご所望なのな」
その顔はもう笑ってなどいなかった。
「でも、」
ロコがゆっくりと僕の目の前に、人差し指を持ってくる。
「その中に俺のハッピーエンドは含まれてないのかなぁ」
しまった……!!
「俺だって千里と一生ハッピーでいたいんだよ、”昔みたいにな”」
人差し指が動こうとした、その瞬間。
突如、銃声音が響いた。
僕は引き金を引いていない。
ふと、ロコの顔を見る。
その顔は歯を見せて笑っていた、狂気じみた笑顔、とでもいえばいいだろうか。
「三介、授業でも言ったでしょう、戦う際は相手を戦いながらでも分析しなさいと。」
「……!!!」
声の方を振り向くと、見覚えのある人物が拳銃を構えていた。
「姉さん……!!」
矢射千里は真顔で答えた。
「後で補習ね。」
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