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「千里…ああああ千里ぃぃいいいい……!!!!」
ロコは声を震わせながら叫び、僕を地面に放り投げた。
足早な足音が聞こえた。
「動かないで。」
久々の再会に興奮するロコとは一転、姉さんは全く動じず絶対零度の視線をロコに送る。
「三介を放したことには感謝します。
お蔭で確実にあなただけを仕留めれます。」
姉さんは至って冷静だった。
しかし、胸に突き刺さるこれは何だ……?
「水臭いじゃんか千里、昔みたいに話してよ?」
「……三介、こちらに来なさい。」
「おおっとぉ?それはいけないなぁ??」
ロコは義足から残ったナイフを取り出し、後ろに倒れている僕に向けた。
「こいつは、俺に殺される前に道化師になってもらおうかなーって。」
「なんですって?」
すると、ロコは含み笑いをしたかと思うと、声をあげて笑い出した。
「いやさぁ、今なら三介を俺の能力に服従させて、君を俺と一緒になると言わせるまで攻撃させられるかなーって思ったりして!!
俺ってば天才!!」
「ふざけてるんですか?」
「ちょー真面目だよ?
だってさぁ、昔、”君が三介を傷つけた”ように、三介が君を傷つけようとするんだよ?
……殺すしかないよねぇ?」
「……やっぱりふざけてますね。」
……ダメだ、こんなの、本能的にそう思った。
このままでは、姉さんがロコを殺してしまう。
それじゃダメなんだ……!!
覚悟を決めろ!!
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