曲がった先には

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現在時刻は午前2時。月明かりの中で体力向上のため自宅から車で約10分ほど先の自然公園までの往復をランキング。 「ハァハァハァ…」 大学に通いながら父が経営する“狭間探偵事務所”で現場調査員(バイト)として在籍中。こんな夜更けにランニングだなんて通常は有り得ない。自身にふりかかった諸事情により、体質的に昼夜逆転のサイクルに変わった。 「そうじゃなきゃ……ハァハァ。誰が好き好んで、ハァ、ハァ、こんな時間にハァハァ…ランニングするわけないしっ」 歩道に等間隔に植えられた木々が、風が吹く度に枝葉を揺らしている。静寂な夜とは思えない鳥の囀ずりや鳴き声が聞こえてくる。 あれ?おかしくないか?鳥って一部を除いて日中が活動時間だよな。こんな騒々しいのは初めてだ。 首を傾げながらも順調に、折り返し地点の自然公園に到着した時だった。 !!!!! 何だ?この禍々しい気配は!? 全身から力を抜いて息を吐く。人影がいないのを確かめる余裕はなく、自分の気配を消すことに全力を注いだ。 心の内側を無理やり覗かれたような、或いは強引にこじ開けられるような薄気味悪い感覚に囚われた。 微動だにしない状態が続いた。 どれくらいの時間だっただろうか。一瞬にも1時間にも思える。吹き抜ける風が通り過ぎて、緊張感が解れていった。 「……ふぅ。ギリセーフだったな。」 背中に流れる汗がヒヤリとした。持参した水を一口飲んでホッと一息。脱力感に思わず座り込んだまま、休憩していた。 落ち着きを取り戻すと、気を取り直してランニングを再開した。
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