運命の曲がり角

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今日は大学が休講だった。 簡単に掃除や洗濯をした後、切らした食器用洗剤と食材を買いに行こうと、自転車を走らせていた。 雨上がりの清々しさが心地良い。まるで街全体を一掃したような爽快感だ。駅前のショッピングモールに到着するのは惜しくて、いつもと違う回り道をしていた。 ザザザザザ…… ………ザザザ、ザザァ。 風で揺れ動く梢の音が耳に残った。 いつも通り、角を曲がれば大通りに出る。スピードを落として曲がる直前、 ドンッ!!!! 何かに衝突してしまった。ガラスや電信柱のような危険な物ではないのが感覚でわかった。柔らかなぬくもりを帯びた塊。 何だろう? すすり泣く声をBGMに僕の意識は遠のいた。
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