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運命の曲がり角
青天の霹靂。
今のぼくの心情をどう説明したらいいのだろう。珈琲を淹れたものの、機械的に口へ運んでいるだけ。
大学は法学部だし、両親は弁護士という家庭環境。日頃、理詰めで論破するほうが向いてるんだけど。
そして僕は途方に暮れる。
誰が言い出したのだろう。今の僕に最も適した言葉だ。確か昭和の歌にもあったはずだ。アンニュイな歌声が耳に残っている。
このままジッとしていたらいいのか、飛び出してあてもなく歩いたらいいのか全く見当もつかない。テレビやネット動画を観ても、カバンの中にある文庫本を読んでも、ちっとも集中出来ないだろう。
微かに聞こえる彼女の寝息は耳に優しい。
だけど。戸惑いだけが支配している。
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