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「何も話しかけてこなかった?」
「うん」
「ただ見てたって?」
薫が形のいい眉をしかめると。
「分かった!」
拓海が謎は解けたとばかり手を打った。
「それは、征司さんの亡霊だよ!」
「拓海……」
「この世に未練を残しててさ。特に君にだよ、それで夜な夜な現れんだよ君の前にだけ……」
世にもくだらない持論を
悦に入って話し続けていたが
「あ、誰か来た」
タイミングのいいチャイムの音に遮られる。
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