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僕はすぐさま食堂から顔を出し
「いらっしゃい。どうぞ、こちらへ」
長い廊下の先で戸惑う彼を手招きした。
「靴は?」
「どうぞ、そのまま」
ちょっと手を上げて答える。
波間風凪――。
「よくいらして下さいました」
僕が両手で握手すると
凪はおのずと頬を染めて口元を綻ばせる。
「君は」
「あ……」
九条さんだけは
すぐに彼の正体に気付いた。
もちろん下心にも――。
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