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冷たい沈黙を
打ち破るかのように
「でもさ、そもそも征司さんがゴシップ誌なんか読むかい?」
最初に口を開いたのは拓海だった。
「あの人の情報網を舐めちゃいけないよ」
僕は首を横に振る。
「読むね。何でも知ってるんだ」
「だとしたら一番効果的なのは君の記事だろうね」
頬杖をついて。
嫉妬交じり
投げやりな溜息を漏らす王子様。
思わずキスしてやりたくなるけれど
そこはぐっとこらえて。
「じゃあ、僕が不治の病だと書いて!」
僕は凪に指を突き付ける。
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