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くっ、っと指に力を込めた寸前の所で思い出す…そうだ!
まだアレがあるじゃないか!
私は、『人類滅亡』ボタンから手を引っ込めて実験室から飛び出して全国的な寒波吹き荒れる風の中を切り自宅に走る!
ガチャ!
バタン!
駆け込んだ自宅の玄関で、二匹の愛猫が足にすりっと出迎えるが私はそれらを蹴散らすようにキッチンに飛び込む!
「ケホッ! ケホッツ!!」
ああ、耳が痛い…熱っぽい…コレは風邪から中耳炎がぶり返したんだろう…けど今はそれどころじゃない!
「あった、あった!」
黒部和牛の牛骨ラーメン…カップラーメンだが、限定版でもう手に入らない…!
ああ!
これを食べずに死ねるものか!!
私は、震える手でケトルにお湯を沸かす…ああ…ね、眠い…熱が上がってきたっぽい…。
「ふふ…よし…一生に一度の贅沢だ…」
私は早速、お湯を注いだラーメンを寝室に持ち込む。
…熱が上がって茹だつ頭に底冷えする疲れ切った体。
コレは、暖かな布団で暖かなラーメンを食すことで肉体を癒し哀れなTKGの弔いとしよう…そうさ!
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