100日研修

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「解っておられるのに質問をするのはお辞め下さい。後抱きかかえている左腕を開放して頂きたく思います。」 「何でですか?私と腕を組むのは嫌なんですか?」 「いえ、先程からリリィがじゃれつこうとしているベッド下のミリィ様の下着の安否が気になって仕方がないのでございます。」 俺が指さして教えてやると、ミリィはぎょっとした顔で俺の指が指した方向に顔を向けた。 「きゃぁあああ!」 「耳元で叫ぶのはご遠慮願いたい。」 「み、みみ見ちゃダメです!」 ミリィが俺の前で両腕をパタパタして視線を遮ってくれるお陰で俺の左腕は解放された。 「そうなるのが解っていたので退室の際にこっそりと思っていましたのに・・・。」 「持って行って何をするつもりだったんですか!?」 「はぁ、洗濯籠に入れて洗濯して貰うつもりでございましたが?」 だって蛙の顔のプリントされてるパンツに劣情を抱けるほど、特殊な性癖はない。 「あげませんからね!」 「いりません、それより早く救出を試みないとリリィがパンツに潜ってしまわれますよ?」 リリィに視線を向ければパンツの匂いをクンクンと嗅ぎ、口を半開きにして臭ぁ・・・と言う表情を見せている所だった。 「リリィ!?」 声をかけられたリリィは、前足でそれを後ろへと棄てる様に引っ?いた後、ベッドの上に乗って丸くなった。 「臭いのでございますか?」 「臭くないです!だって私の下着ですよ?臭い訳ないじゃないですか。」 俺はとりあえずその蛙のパンツを拾ってモモを呼びつける。 「何ですか?シノブチ様。」 「洗濯物の回収忘れでございます、どうやら少し臭う様なので早めに洗濯を頼みます。」 「臭くないですってば!!そんなに臭いと思うなら嗅いでみればいいじゃないですか!!」 ミリィはモモからパンツをひったくって俺の目の前に突き出してきた。 何だその変態プレイ・・・臭い下着の匂いを嗅がせるとかどんな拷問だよ・・・。 「ミリィ様、ご自分のなさっている事を再確認した方がよろしいかと///。」 モモが慌ててそのパンツを奪い返してアハハと笑う。 「臭くないんですってば!!」 「解りました、ではその下着は臭くない事にしておきます、匂いを嗅いだリリィの臭そうな表情もきっと勘違いだったのでございましょう。」 「うわぁああん!本当に臭くないんですってば!!」
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