使い魔と書いて奴隷と読む

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休憩時間?それじゃあ、今目の前で冷や汗を流しているこの娘は仕事も忘れてお茶に没頭していたと言う事か? 「モモさん、後でお話がありますので・・・。」 「は、はいぃ・・・。」 俺は一つため息をついてティーカップにお茶を注ぐ。 「タケルさん?」 「何でございましょう?」 「お説教は終わりですか?」 「ええ、申し訳ありませんでした。」 「別に私は何とも思ってませんよ、事実ですし。」 「ま、そうでございますね、これに懲りたら今後は自重してください。」 俺は紅茶を一口飲んでため息をついた。 「ちなみにタケルさん、そのティーカップ、私の物ですけど?」 「左様でございますか。」 二口目で中身を全部飲み干してソーサーの上に戻した。 「気にならないんですか?か、間接キスですよ!?」 「逆にお聞きしますが、ミリィ様はお嫌でございますか?もし嫌だと言うのであれば新しいカップをご用意いたしますが?」 「むむっ・・・。」 「ちなみに私は別に嫌ではございません、むしろ役得とすら思っております。」 「わ、私は間接じゃなくて、直接でも嫌じゃないと言いますか、むしろそっちの方が良いと言いますか。」 「ふむ、つまりミリィ様は私と恋人っぽい事をお望みであると?」 「そ、そう!それですよタケルさん!!」 「なるほど、じゃあミリィ、膝に座れよ。」 「え!?急にどうしたんですか!?」 「思いっきり甘やかしてやるぞ。」 笑顔で膝をポンポンと叩いて両手を広げてやる。 「あ、あわわわわ///」 「どうした?座らないのか?」 「あ、いえ、あの、その・・・えっと・・・。」 ミリィはもじもじしながら俺をちらっと見たりそっぽを向いてみたりと明らかに動揺していた。 俺はため息をついて立ち上がりミリィの前まで移動し、ミリィをお姫様抱っこで持ち上げた。 「え?ええ!?」 「よいせっと。」 そのまま椅子に座ってミリィを膝の上に下ろし、右手で腰を抱き左手を頭の上に乗せた。 「よしよし。」 そして優しくその頭をなでてみる。 「お、おおおお、おなかとか痛くないですか!?」 何だその質問は・・・。 「大丈夫だから、もっとリラックスしろよ、ほら、俺に体重を預けて。」 「お、女の人に体重の話題を振るのはマナー違反ですよ!!」 ミリィは終始そんな感じで緊張していた。
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