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傷を負わない体に対して盾、しかも切り札が日に一度の絶対防御とか、常に絶対防御状態の俺に必要な物とは思えなかった。
「ミリィ様は杖の様でございますね。」
「はい、太陽光を吸収して魔力に変換できるのと、光属性の魔法の消費魔力が3分の1になるそうです。」
俺もそれ系のアイテムが欲しかった。
まぁこの盾も、ミリィの護衛という目的を果たすのにはかなり有効なアイテムと言える。
「ふむ・・・使い様によっては中々・・・。」
例えば広範囲殲滅型の超級魔法でも、この盾が有れば無傷。
俺はもちろんそんな物で傷を負わないのは神様が保証してくれているから、ミリィにこの盾を持たせておけばオールオッケーだ。
「使い様?」
「有事の際にミリィ様に預けておけば私はミリィ様を気にせず戦いに挑む事が出来ますゆえ。」
「なるほど、でも所有者以外に使用可能なんですかね?」
試しにミリィに盾を持たせてみた。
「見た目よりずっと軽いです!」
俺は簡単にボール系魔法をミリィに向けて放つと盾が勝手に防御したような感じで動き、ボール系魔法は俺の所に戻ってきた。
「使用可能みたいですね・・・。」
「なるほどオートリフレクトにはオートガードも含まれるのか、これは便利なものだ・・・。」
俺はミリィから盾を受け取り、腕輪へと変換してミリィの腕につける。
「あ、あの?」
「それはミリィ様がお持ちください。」
ミリィはその腕輪を見てにっこりと笑った。
翌日、学校内は留学生の噂で持ちきりだった。
凄いイケメンで、他国の王様との繋がりのある強い男だそうだ。
ホームルームが始まると、教師が一人の男子生徒を連れて教室に入ってきた。
「えー今日は転校生を紹介します。」
ミリィ以外の女子はキャーキャーと騒ぎ立て、実に喧しかった。
おかげで勇者の名前も聞こえなかった。
「隣、良いかな?」
「どうぞ、良いですよね?」
こちらに振るな、厄介事を押し付けるつもりか・・・、という思いと共に頷く。
「彼は?」
「私の執事です。」
「タケル・シノブチと申します、以後お見知りおきください。」
「うん、よろしくね。」
差し出された左手に頭を下げて答えた後、いつもの席に座った。
「この国では左手の握手は決闘の申し込みになりますので、ご注意ください。」
「そ、そうなんだ・・・これからは気を付けるよ。」
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