サルでも解るチートの倒し方

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「君は洗脳されているんだね・・・。」 紅茶を吹き出しそうになった。 「ごめんなさい、ちょっと何を言ってるのか解らないです。」 多分この教室に居る誰もが何を言っているのか解ってない。 「普通なら女の子が僕の誘いを断るわけがないよ!」 俺の隣ではミリィが顔を引きつらせていた。 「誰にやられたの!?」 そう聞かれた彼女は教室の中をぐるりと見まわして、俺に救助の視線を投げてきた。 「彼だね・・・?」 「おそらくちが「良くお気付きになられましたね。」・・・え?」 「彼女は私が世界を征服する為に必要な人材、クックック・・・。」 仕方がないから助けてやる事にした。 「今すぐ彼女の洗脳を解いて、世界征服なんてやめるんだ!!」 俺はサキに視線を投げて行動を指示した。 「あー、体か勝手にー。」 中学生でももう少しましな演技ができるのではないか?と言うくらいの棒読みでサキは立ち上がり、勇者を後ろから羽交い絞めにした。 「や、止めろ!離せ!!卑怯だぞ!!」 「卑怯とは異な事を申しますね、私は悪、卑怯上等なのですよ。」 懐から小刀を取り出して鞘から抜き去る。 「な、何をするつもりだ!!」 「洗脳の事がばれてしまった以上、サキさん共々、あの世に送って差し上げましょう。」 「う、うわぁああああああ!!!!」 ナイフを逆手に持って勇者の胸に突き刺す。 勇者の胸から血が噴き出して、周りからきゃー!!と悲鳴が上がる。 「ま、冗談でございますがね・・・。」 勇者の胸に刺さっていたナイフを抜くと、服にも勇者の胸にも穴は開いていなかった。 「おもちゃでございます。」 ナイフの先に手を当てて押すと刃が柄の中に入って赤い液体が噴き出す仕組みになっている。 「お騒がせして、申し訳ありませんでした。」 ぺこりと頭を下げ、勇者に付着した赤い液体を浄化の魔法で綺麗にする。 「ごめんなさい。」 サキさんも勇者を開放して、一言謝罪した後席に戻った。 勇者はそのまま後ろに倒れて失禁、保健室に運ばれて行った。 生命は維持できたが社会的には死亡確定である。 「タケルさん、あんなものいつの間に用意したんですか?」 「ミリィ様の退屈を解消するために持ち歩いている玩具の一つでございますので、執事になった日から肌身離さず持ち歩いておりました。」 「私は子供ですか!?」
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