サルでも解るチートの倒し方

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「実は私の世界征服のプランとしては、私はここで負ける事が最善なのです。」 「どういう事かな?」 「これは私が仕事を気にせず国外に出るチャンスなのです。勝負に負け、国外に追放される事で日数を気にせず海を渡り、別の大陸の国を制圧する事が出来るのでございます。」 「どれくらいで別大陸の国をすべて制圧できるんだい?」 「5年あれば全てを手に入れる事が可能かと。」 「それで?勝った場合はどうなるんだい?」 「今の私にとって世界征服など娯楽の一種でしかございませんので、今まで通りの日常を送らせて頂ければと思います。」 「随分と両極端じゃないかな?世界征服か今まで通りかなんて。」 「元々盥回しにされるのが嫌で世界を征服する予定でしたので、受け入れて貰えた今、世界を征服するなんて生活のついででございますよ。」 別に何が欲しくて征服する訳でもない、居場所が有ればそれで良いのだ。 「しかし、たとえ勇者とはいえ、国を一つ単騎で落とすのは無理なんじゃないかい?」 「そこでくそ虫を監視役兼補佐に付ければ大丈夫でしょう、腐っても堕天使の総統、実力的には問題はないと考えております。」 「一度聞いてみようと思っていたんだけど、タケル君・・・君は世界征服のプランを何処まで考えているんだい?」 「脳内趣味レーションではすでに完遂して老後を謳歌しておりますが?」 「後でそれの具体的なプランを提出してもらえるかな?」 「それは構いませんけれども・・・もし、私抜きで私のプランを遂行するつもりであれば一言、無理だと言っておきます。」 「何でかな?」 「口頭で軽くプランを説明させていただきますと、ただ単純に国に押し入り、王を殺して終了、兵士やギルドとの戦闘など、どうするかなんて考えておりませんので、私以外の物が行えばまず間違いなく、死んでしまいますよ。」 「ははは、それは確かに無理だね。」 「それでは私は明日に備えて準備がございますので。」 荷物をまとめておかなきゃならん。 「準備?何か入用なものはあるかな?」 「そうでございますね、強いて言うなれば寝袋と飯盒、マントが有れば最高でございますね。」 「一体何の準備何だい?キャンプにでも行くのかい?」 「いえ、勇者への選別でございます。私が負けた場合の旅支度でもございますが。」 「なるほど、至急用意させよう。」
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