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「あの切れ味、さぞ名のある名匠が作ったのでしょう、イノシシを縦に両断できる何て思いませんでした。」
ヌルリと言う感触を思い出して少しだけ気分が悪くなった。
「雑貨屋に売っていたただの鉄の剣ですよ?」
「さようでございましたか。」
こんな会話をしている間も、ホモ男は俺の背中をガンガン叩いている。
「ホモ男様、背中のマッサージはもう結構でございますので、お席の方へお戻りください。もうじき、教師がやって参ります。」
「ま、マッサージじゃねぇ!!!」
ホモ男の方は否定しないんだな。
「マッサージでないのだとしたら・・・。」
俺は尻を隠してホモ男から数歩離れた。
「ち、違うって言ってんだろ!!!」
どうやらこの意味は分かるようだ。
「そんな事より、そろそろその鉄パイプも限界でしょう、以後こちらをご使用ください。」
俺が彼に渡したのは果物ナイフだ。
「刺すと言う行為はお止めください、刃が折れてしまいますので。」
「ははは、後悔するんじゃないぞ・・・。」
ホモ男はそう言い残して自分の席に帰って行った。
ミリィは顔を真っ青にして俺の行動を見ていた。
2限目、魔法学
「はて、手品でも習うのでしょうか?」
「え?魔法の基礎知識と使い方を学ぶ授業ですよ?」
魔法?そうか、魔法があるのか!
「なるほど、魔法ですか・・・、これは使えそうですね、死ぬのが捗りそうです。」
「まだ死のうとしてるんですか?」
「もちろんでございます、有言実行、初志貫徹、必ずや死んで御覧に入れます。」
「できればご覧になりたくないんですけど。」
その間にこの世界を全部王国領土にするつもりだ。
教師が教室に入ってきて生徒が全員席に着いた。
ミリィの隣に座って授業を聞く。
「さっきの授業とは違って随分真面目に聞いてますね。」
「授業中でございます、私語は慎んでいただきたい。」
「・・・。」
どうやら今日の授業を聞く限り魔法の属性は7つあるようだ。
無、光、闇、火、風、水、地。
その2種類以上を掛け合わせると、他の属性になるらしい。
例えば風と水で氷の属性を作ることができる等。
「なるほど、興味深いですね。」
自分が使える訳では無いだろうけれど、覚えておいて損はない。
「体内で魔法を発現させた場合、体はどうなるのでしょうか?」
「知りたくないです。」
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