サルでも解るチートの倒し方

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「ぼ、僕は・・・僕はまだ負けてない!!」 「そうですか、では後日また決闘と言う形でどうぞ、幾らでも叩きのめして差し上げますよ。」 「くっ・・・。」 「ですがその前に、今回の勝者の命令をきちんとこなしてきてください、今回の決闘においてあなたは負けたのですから。」 「どんなイカサマを使ったんだ・・・?」 「ああ、そうでございますね、貴方と同じイカサマでございますよ、ただ、私に加護を与えて下さった神様の方が位が上であった、それだけでございます。」 「え?」 「あなたが勇者であり、下級神の女神から力のほぼ全てを受け取った事は、神界に居る別の神様より聞き及んでおりますよ、その事を黙って私に決闘を挑んだ。それはある種のイカサマでございます。」 だってどうやったって一般人では、手も足も出ない。 「なので私も、貴方に力をくれた女神よりずっと位の高い神から力を貰った事を黙っていた。これが私の行ったイカサマでございます。」 「そ、そんな事って・・・。」 「自分の行っていたイカサマを逆手に取られて、同じイカサマをされた気分はいかがですかな?」 昨日準備した鞄を勇者の前に投げ捨てる。 「それには旅支度が入っております。あなたはこれからすぐにグレン中立連邦を制圧しに向かってください。監視役として私の使い魔であるくそ虫を同行させます。」 「私如きくそ虫を踏んで下さり、ありがとうございます。」 俺の足の下から現れたくそ虫の頭をぐりっとなじって足を離す。 「くそ虫、お前はこれからこの方に付き添って国を一つ落として来てもらう。」 「マジかよ・・・絶対勇者に邪魔されるわ・・・。」 「この方が勇者だ、それなら問題ないだろう?」 「うわ、そんな外道勇者が居るのかよ・・・。」 「うるさいぞ便器を舐めまわす変態堕天使が、目標はグレン中立連邦、期限は一月だ。」 「行きゃぁ良いんでしょ、行きゃぁ!」 くそ虫は勇者と鞄を肩に担いで訓練所を出て行った。 俺も後に続いて訓練所を出ると、ドアの前にミリィが立っていた。 「今くそ虫さんが勇s「タカシ・ヤマダと言うらしいですよ。」そうなんですか!?」 「決闘は私の勝利でございます。くそ虫には監視及び制圧補佐として勇者に同行させました。」 早くても半月は帰ってこないだろう。 つまりそれまでの間は、平穏無事な学校生活が送れるのだ。
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