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「えー、以前から通達していた通り、来週の火曜日からサバイバル実習訓練を行う。」
「た、タケルさん?」
「何でございましょうか?」
「このことを知ってってあぁああ!!」
「な、何だタリリアント、何が有った?」
「そ、それ!その本のタイトル!」
「お気付きになられましたか?超実践型サバイバル料理、今から振舞うのが楽しみでございます。」
「もっと早く教えて下さいよ!何にも準備してないじゃないですか!」
「そんな事より席にお座りください、ホームルームの途中でございますよ。」
ミリィを席に座らせて皆に礼をして座りなおした。
「帰ったら詳しく聞かせてもらいますからね?」
「帰りの馬車で事が済みますのでその時に、城に帰ってからは少々用事がございますので。」
「と言う訳だから、来週の火曜日までに必要な物を準備しておくように。」
教師の言葉にクラスの全員がハーイと元気よく答えたところで、ホームルームは終わった。
ぷんぷんと擬音が出そうなほど怒り心頭なミリィを馬車に押し込み、俺もそれに乗り込む。
「さて、どういう事なのか説明してください。」
「伝えるだけ無駄だと思ったまででございます。」
「なんでそう思うんですか!?」
「準備はナイフとテントのみ、それにミリィ様の事ですから、お伝えした所できっと今日までにお忘れになられていたかと。」
「それでも、聞いていたのと、初めて聞くのでは、違うんですよ!!」
「はぁ、以前今月の予定というプリントを作り、提出した筈でございますが?」
「え?」
「どうせろくに読みもせず、机の引き出しにでもしまってあるのでしょうね・・・。せっかく解り易い様にと思って、夜なべしてまで作った物ですのに・・・。」
まぁ、夜なべと言っても睡眠時間は普段から30分しかとっていないけど。
「えっと、あの・・・。」
「このように、私に全て任せきりのミリィ様には、お伝えしても無駄でございましょう?」
「すみません・・・。」
俺はため息を一つ吐いてミリィを馬車から降ろす。
「では私はこれから所用で外出してまいりますので、私が帰るまでの用事はモモに申しつけて下さいますよう、お願い申し上げます。」
「どこに行くんですか?」
「買い物でございます、テントとナイフ、それとミリィ様用の玩具を。」
「子供じゃありません!!全く・・・。」
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