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その後普通にでかい布と普通のナイフを買って城に帰った。
「タケルさん?帰って来たんですか?」
「これはミリィ様、如何なさいましたか?」
買ってきた物を鞄にしまって居るとミリィが部屋へやってきた。
これからテントを作らなきゃならないから用事が有るなら後にしてくれと目で訴える。
「特に用事が有ったわけじゃないんですけど、いつも傍にいるタケルさんが居ないと何かこう、変な感じでして。」
「なるほど・・・揶揄われたり罵られたりする事に快感を覚えて、それなしでは寂しいと言う事でございますね?」
「全然違います!!モモさんはタケルさんと違って、私の世話以外にも他に沢山の仕事が有って、あまり話し相手にはなって貰えないんです。」
はっきり言って、俺はモモの3倍忙しく働いている。
執務の補佐に城の掃除、ミリィを守るために騎士の訓練にも参加しているし、ミリィの勉強のために明日の学校の予習と準備、家庭教師のための資料作成、お茶やおやつを用意しているのも俺だし、毎朝ミリィを起こす仕事もある。
しかしそれらはミリィの世話と言う仕事を終えて、ミリィが夢の中に居る時に全部終わらせている仕事だ。
「そう思うのであれば丁度良い機会でございます、明日の朝まで私の仕事にお付き合いして頂きましょう。」
「え?でも明日は・・・。」
「明日は丁度学校もお休み、私が誰と違って忙しくないのか、思い知って頂きましょう。」
「解りました、きっと私が寝た後はタケルさんも寝ているはずですし、やります。」
と、息巻いて居た数時間前のミリィに現在俺の前に立ってフラフラしているミリィを見せてやりたい。
「さて、誰が忙しくなさそうなんでしたか?」
「ごめんなさい・・・否ホントすみませんでした。」
「さて、30分就寝したらミリィ様のお部屋に伺って学校の準備とお風呂の時間でございます。」
「もう、本当に死んでしまいます・・・。」
「大丈夫でございます、人間2,3日寝なくても死んだりは致しません。」
俺の言葉にミリィは顔を青くして引き攣った笑顔を見せた。
「おや、もうすぐ30分経ってしまいますね。」
「え!?」
「はぁ、ここでお眠り下さい、私はこれから朝食を摂って執務をして参ります。」
ミリィを一人部屋に残して俺は食堂へと向かう。
途中、厨房にミリィの朝食はいらないと告げながら。
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