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朝食を食べて部屋に戻り、テントを作っている所でミリィが目を覚ました。
現在時刻11:40ミリィが睡眠を始めてからおよそ6時間。
「おはようございます、よく眠れましたか?」
「お、おはようございます。」
あと10分程度でテントが完成するが、それよりもミリィを風呂に入れるのが先だ。
昨夜の仕事でミリィも埃を被ったり砂が付いたりしている。
俺は毎日寝る前に浄化魔法を自分に使っているし、訓練の後にもシャワーを浴びている。
「タケルさん、たまにはお休みしても良いんですよ?」
「ふむ、毎日12時間は椅子に座っているだけ、それに30分は睡眠も取っております。」
「でもそれは全部仕事でしょう?キチンとした休みは必要です!」
俺が腕を組んで考えていると、ミリィが右手を握り絞め、頭上へと突き上げた。
「私がお父様に交渉してタケルさんにお休みを貰ってあげます!!それが無理でもお給料の値上げを!!」
「給金でございましたら要りません、ポケットマネーで屋敷が買える程度には潤っております。」
ぎょっとした顔で俺を見上げるミリィ。
俺はカードを取り出してミリィに見せつける。
「い、一億・・・8千万!?」
「なので、そんな事はしなくて結構でございます。」
「でも、たまにはデートに行きたいんですよ?タケルさんはあんまりお休みがないから、誘えないんですけど・・・。」
それならそうと素直に言えばいい。
「でしたら、次のミリィ様のお休みの日は私も休みを頂きますので、街にでも行ってみましょう。」
「え?」
俺は作り終わったテントを鞄にしまい、立ち上がる。
「では私は仕事がございますので、ミリィ様もご自分のお部屋にお戻りください。」
部屋から出た俺は先日マキから送られてきた書類に目を通す。
そこには5人のギルド員のデータが書いてある。
「なるほど、これは確かに有能な人材だな・・・。」
ジョン・クリスト ランクSS
職業:ウィザード
称号:ドラゴンスレイヤー
通名:蒼き暴風
ドラゴンスレイヤー、それはドラゴンを討伐した者にのみ与えられる称号。
ただし、パーティーを組んでの討伐では与えられない。
ウィザード単騎でドラゴンを討伐するのははっきり言って正気の沙汰じゃない。
「青の騎士はこいつだな・・・。」
ジョンのデータを右に寄せてその他のデータに目を通す。
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