魔王現る?

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2限目は先ほど話題に上った歴史だった。 「タケルさん、私たちと一緒にお勉強しましょう!」 「学校で習う程度の勉強はすでに修めております。」 「はい?」 「ですから、いくら不得手だと言っても、学校で習う程度の歴史はすべて把握しております。」 「えぇえ!?」 俺が解らないのはこの国が国としての歴史を紡ぐ前の歴史だ。 「私が解らないのは他の国の成り立ちでございます。昔の人は何を考えて国を分けたのか、別れる前はどうだったのかという事です。」 それから、人類発症から魔法があったのかどうか。 あったとすれば国ごとに多少の違いがあるのか。 「そんな事、気にした事も有りませんでしたよ。」 「王国の歴史など、そこら辺の歴史書に書いてありますし、これからはインターナショナルに世界の歴史を調べるべきなのです。」 「い、いんたー???」 本当にアナログな世界だ。 俺も生前は携帯すら持っていなかったし、テレビもブラウン管だったし、PCも持ち合わせていないアナログ野郎だったが。 無論金がなくて買えなかっただけだ。 「つまり、学校では習わない世界の歴史、つまり世界史ですね。」 「タケルさんは勉強家なんですね。」 「そんな事ありません、ミリィ様が勉強をしなさすぎるだけです。」 公務で忙しいだろうし、学校の勉強で遅れていたのも数学だけだし、特に文句を言うつもりはないが。 「お城の資料室にいくらでも書物があるんですから、寝る前にお読みになるのもよろしいかと思います。」 「まさかタケルさんは毎日読んでるんですか?」 「毎日ではありません、一昨日はルナ帝国を落すために出ていたため読んでおりません。」 「いつ寝てるんですか?」 「ミリィ様の起床時間の一時間ほど前に30分ほど仮眠を取ります。」 元の世界でも3時間くらいしか寝ていなかったが、この世界に来てからは30分でも疲れがすっきり抜けているのだ。 今日に限ってはテーブルマナーを覚えるために10分しか寝られていないので寝不足だが。 「あまり寝ないでいると、死にますよ?」 「なるほど、寝ないで死ぬと言う方法が御座いましたか、流石はミリィ様、素晴らしい発想です。」 「提案したわけじゃありませんよ!」 今夜から戦闘訓練も日課に追加しよう。 「ふふふ、待ってろよ過労死!」 「せっかくの笑顔が真っ黒です。」
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