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歴史の授業中、うたた寝を始めようとするミリィの頭を叩いた。
「居眠りはテストで100点を取るまで認めません。」
「ふぁい・・・。」
鞄の中の水筒から氷を取り出してミリィの背中に入れた。
「ひゃぁああああ!!!!!」
「なんだ!?どうかしたのか!?」
「タケルさん!!!」
「すみません、穏やかな寝顔が癪に障りましたもので。」
教室中から笑い声が上がった。
ミリィの服から氷を取り出して窓の外に捨てた。
「お騒がせして申し訳ありませんでした、授業をお続けください。」
何事も無かったかのように席に座って教科書を開く。
「止めてくださいよ、びっくりして死ぬかと思いました。」
「今度私が油断している時はお願いします。もしかしたら死ねるかもしれないので。」
「絶対にやりません!」
「授業中はお静かにお願いします。」
ぺらっとページをめくって教科書を読み進む。
「どこを読んでいるんですか?今は126ページですよ?」
「常に先を読んでおかなければもしミリィ様が先ほどの様な事情で解らなくなってしまった場合に対応できませんので。」
「うぐぐ・・・。」
「因みに氷は常に常備しておりますので、授業中にお眠りの際にはお覚悟していただきますよう、お願いします。」
その後は居眠りもせずまじめに授業を受けていた。
3時限目は戦闘実技らしい。
「こちらが戦闘用のお召し物になります。」
「ありがとうございます。」
「それでは上着をお脱ぎください。」
「え?何でですか?」
「お着替えのお手伝いを。」
「一人でできます!」
ミリィは戦闘着を持って更衣室へ向かった。
もちろん俺は更衣室の前でミリィが出てくるのを待った。
「ひゃぁ!タケルさん何でここにいるんですか!?」
「主の傍を離れるべからず、でございます。」
「はぁ・・・タケルさんは真面目過ぎです!」
「過ぎる位で丁度良いのです。」
「それより、タケルさんは戦闘着に着替えないんですか?」
「この服は戦闘も考えて作られておりますので。」
訓練場への道すがら、俺はミリィの髪形をポニーテールにした。
「この方が動き易くて良いかと思われます。」
「ありがとうございます。」
因みに俺はポニテよりおさげのほうが好きだ。
「もし情けない結果に終わりましたら・・・。」
「お、終わったら?」
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