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「学園内で戦姫(せんき)と呼ばれるまで鍛え上げて差し上げます。」
今日から本格的に戦闘技術を兵士に習う予定だ。
「頑張ります。」
結果から言えばミリィはそれなりに頑張った。
俺から言わせればそれなりだが、本人は全力で戦っていた筈だ。
「ギリギリ及第点としましょう。」
「よ、よかったぁ・・・。」
次の時間は魔法実技だ。
俺も習いたいが、執事は授業を受ける資格がない。
「では授業が終わるまでは自由時間なのでお茶にしましょう。」
「でも、テーブルがありません・・・よ?」
俺はテーブルを組み立てテーブルクロスを掛けて、椅子をセッティングした。
「一体どこにしまってあったんですか?そんな大きいもの。」
「どこと言われましても、普通に鞄に入っていましたが。」
「どう見ても鞄より大きいですよね!?」
「細かい事は良いのです、早くご着席ください。」
俺は紅茶を淹れてクッキーを皿に盛り付けて出した。
「お昼を挟んで午後は魔法実技でございますが、髪の毛が痛んでしまうので一度ゴムを外します。」
ミリィの髪形を元に戻しブラッシングする。
「ブラッシング、上手ですね。」
「執事長とメイド長のおかげでございますね。」
あの二人は、俺が上手くできるまでずっと同じことをやらせるんだ。
すっかり元通りきれいになった髪の毛を見てブラシを外した。
「それではしばしお茶をお楽しみください。」
「そういえばタケルさん、場内ではメイドと執事の恋愛が流行っているようですが、気になるお相手はいるんですか?」
「現状ではミリィ様が一番気になる相手でございます。」
「ふぇええええ!?!!??!!??」
「深夜に何度部屋に忍び込もうと思ったことか。」
「そ、そんな///」
「腹を出して眠り、お腹を冷やしてはいないかとか、夜更かしをしていて明日は寝不足になったりしないだろうかとか、常に心配で夜も眠れないのです。」
「ちょっとでも期待した私がばかでした。メイドの中にはいないのですか?」
「メイドの中だと同僚のモモが一番気になります。ミリィ様の専属のメイドだという事ですが、最近は私がメイド長からもメイドの仕事を教えてもらい彼女の仕事を奪ってしまっています。私はそれが心苦しいのです。」
だから俺は極力モモに仕事を回している。
「はぁ・・・、恋愛とは無縁ですね。」
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