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やはりお姫様もただの女の子と変わりないのだと思った。
他人の恋愛のあれこれを気にしたり、友達とうわさ話で盛り上がったりする当たり本当にただの女の子だった。
「ミリィ様は、気になる相手はいらっしゃらないのですか?」
「ぶ!げほげほ・・・。急に何ですか!?」
「先ほどから私の恋愛を気にしていらっしゃるご様子でしたので、恋愛の話をしたいのだろうと思いまして。」
「私は・・・その内お父様が婚約者を連れて来るでしょう。」
「ふむ、国のために体を売るという事ですね?」
「そんなはっきりと言わないでくださいよ、それが当然で私は女である前に姫なんですから。」
「ですが、残念ながら国王様は相手を連れてこないと思いますよ。」
「・・・。」
「王国は世界全土を支配し、ゆくゆくはその頂点に建つ国になりますれば、相手はどこかの国の王子や商人の息子等ではなく、征服の立役者となるかと。」
「それじゃ、タケルさんが私の婚約者になるんですか?」
「それはあり得ませんね、私は世界征服の途中でも世界樹を見つけたら即死にに行きますので。」
「もし、世界樹が見つからなかったらどうするんですか?」
「その時は諦めて永遠にミリィ様とその子孫達のお世話をさせていただきましょう。」
「世界樹なんか、見つからなければ良いのに・・・。」
ミリィはそれきり喋らなくなった。
俺も別にしゃべる事は無く、授業が終わるまでミリィの後ろで立っていた。
授業が終わり、お昼休みになった。
「お弁当でございます。」
「ありがとうございます。」
「先ほどのお話ですが、相手を自分で選びたいと言えば、国王様は受け入れてくれるでしょう。それがたとえ、貴族や金持ちが相手ではなくても。」
「そうでしょうか?」
「ある一定の条件を満たしている必要はもちろんあると思いますが、それほど厳しい条件ではないでしょうね。」
「その条件は何でしょう?」
「最低限の学歴とマナーと一般常識です。」
「それはどの程度だと思いますか?」
「文字が読めて書けること、ある程度の計算ができる事、国の歴史を知っていること、人に暴力を振るわない事、そんな物でございます。」
「それじゃタケルさんは無理ですね。」
俺はうなずいて答えた。
「お父様に選んでもらいます。それが一番なのです。」
俺は左様でございますかと答えた。
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