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時刻は深夜4時50分。
ミリィの勉強を手伝い、夕食を食べて兵士の訓練に参加して、自室に戻ったのが2時。それから俺は大陸マップを見て次に侵略する国を決めていた。
「移動時間がネックだな・・・。」
自動車なら行って侵略して帰ってきてで2日で済む距離だ。
「自動車なんかないよな。」
無ければ作ればいいが、作れるほどの頭がない。
「陸路がダメなら空路でいけばいいのでは?」
「またお前か爺・・・。」
「ほっほっほ。」
爺は笑って地図に線を引いた。
「一直線の距離なら歩いても片道一晩程度、1日あれば十分侵略できる。」
移動時間がかかる理由はそこにでかい入り江が有って迂回しなければならないからだ。
「飛行機だってありゃしないだろ。」
「なら魔法で飛べばいい。」
魔法で飛べるのか?
「浮遊魔法は存在しているよ。」
「よし、今からその魔法を練習するとしよう。」
と言ってもあと1時間程度しか練習時間はない。
6時半にはミリィを起こす必要があるからそれまでに自分の準備を終わらせなければならないのだ。
結果から言えば楽勝だった。
「これで高度3000フィートから人間爆撃で一気に攻略しよう。」
城の真上から槍のように城に突き刺さる。
そのまま王の寝室に侵入し降伏させる。
目標はアビラ神国、アバンとか言う神を崇拝する町だ。
「問題はどれくらいの間飛ぶ事が出来るのかって事だが。」
「飛行時間は魔力が切れるまで、君の魔力ならどこまででも飛行できる筈だ。」
「つまり俺に魔力の上限はないってことだな?」
「上限はあるよ、体内で生成できる魔力は精々1億程度だね、ただ君は魔力吸収率が常人の100倍で設定してあるから、この世界の魔法の魔力消費量では減らないのだよ。」
なるほど、それなら安心して海を渡れる。
「さて、朝食の時間だ。」
「それでは、私は帰らせてもらうよ。」
爺が消えたのを確認して俺は部屋を出た。
ミリィの部屋の前を通り過ぎ、食堂へむかう。
「おはようございます。」
「おや?ミリィはどうしたのかね?」
「昨日私には絶対起こされないと豪語されておりましたので、今朝は起こしておりません。」
モモが慌てて食堂を飛び出して行った。
その数分後、廊下の方から「どひぃいいい!!!!」と言う叫び声が聞こえてきた。
女子にしてははしたない悲鳴だと思った。
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