篠淵武流は眠らない

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「貴方がいきなり変なことを言うからです。」 「変な事ではありません、以前から世界を統べると申しているではありませんか。」 「ダメです、タケルさんは授業受けるの禁止です。」 ミリィは俺に教科書が見えないように机の反対側に寄せてしまった。 「ふむ、教科書など教師の説明を聞いていれば不要だと言う事を見せつけて差し上げましょう。」 元より教科書何て勉強の際の参考書に過ぎない。 「何でそんなに無駄に頭がいいんですか・・・。」 「私の頭が良い訳ではありません。」 「どうせ私の頭が悪いだけですよ・・・。」 「以前学校に通っていたころは、よく教師に『頭の形だけは良い』と言われておりました。」 つまり形だけで中身は良くないと言われているのと同じだ。 「ぷっ、何ですかそれ?」 「今の私は努力のたまものであるという事です。」 教師の言葉に耳を傾けながらミリィと会話する。 「私も努力すればタケルさんみたいに頭が良くなりますか?」 「まずはその散漫な集中力を何とかしなければなりませんがね。」 「たまに毒舌ですよね・・・。」 「勿体なきお言葉でございます。」 その後は二人で授業終了まで真面目に教師の言葉に耳を傾けていた。 1限目の休み時間 俺はミリィに連れられて屋上の踊り場に居た。 「神国を支配するってどういうことですか?」 「言葉通りでございます。今夜出立、明日の朝帰宅予定にございますので、朝食の席には同伴できるかと。」 「どれだけ距離があると思ってるんですか!?普通に行ったら1週間はかかりますよ!?」 「今回は空路を使います。」 「空路?飛空艇はそんな簡単に持ち出せませんよ?」 「魔法で飛びますので、そんな物は必要ありません。」 「魔法でって・・・途中で落ちますよ?」 「問題ありません、下は海です。」 「この事はお父様に報告させてもらいます。」 「私からも今夜報告するつもりでしたので、手間が省けます、よろしくお願いします。」 これ以上の侵略行為は王国の名の元に行わなければならない。 その理由はルナ帝国とアビラ神国の両方を俺の国にした場合、何らかの方法で連絡を取り合い、王国が落とされる可能性があるからだ。 「明日の朝、起こしに来るのが遅れたら承知しませんから。」 「万一に備えてモモに起こす様に言っておきます。」
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