篠淵武流は眠らない

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飛ぶ事およそ30分、神国の城が見えてきた。 俺は速度を落とすことなく、そのまま城に突っ込んだ。 その結果、神国の城は上半分が崩壊、国王諸共チリとなって消えた。 「アビラ神国は王国が征服した!!死にたくなければ大人しく従え!」 慌てて上がってきた兵士に向けてそう言った。 「もう一度言う!アビラ神国は王国が征服した!!死にたくなければ大人しく従え!!」 風魔法で神国全土に声を届けた。 流石は宗教国家とでも言うべきか、王が死んだと分かった瞬間に全面降伏をしてくれた。 その場にいた大臣に降伏の念書を書かせ、それを懐にしまった。 「これ以上の攻撃はしない、城の修復も王国が援助しよう。」 こうして大陸の半分が王国の手に落ちる事になった。 「この攻撃は王国の新兵器を使用したものだ。これを町に落されたくなければ下手な真似はしない事だな。」 という事にして置けば今後の侵略が楽になるし、ルナ帝国への牽制にもなるだろう。 「俺は一度王国に帰り、念書を届ける、あとはいつも通りの生活を送っていてくれ。」 浮遊魔法を使いルナ帝国へと足を運ぶ。 時刻はやっと0時を過ぎたあたりだ。 およそ20分程度飛行を続け、ルナ帝国の城の屋上へと降り立った。 「ふむ、こっちは何一つ変わってないな。」 王の寝室に無断で入り込むと帝王がワインを飲んでいた。 「侵略された国の王がワインとは、ずいぶん優雅だな。」 「なっ!?」 「貴様ら一族も殺しておくべきだったか?」 「ふっ、帝国はすぐに復権する、今しがたアビラ神国へ救助の手紙を出したところだ。」 「残念だが、たった今神国は王国領土になった。王国の新兵器によって城を半分吹き飛ばされてな。」 「新兵器だと!?」 「そうだ、人間が乗った鋼鉄製のカプセルを音速を超えた速さで射出し、全てをなぎ倒す破壊兵器だ。」 「でたらめだ!」 「神国からの使者の返答が楽しみだな。」 俺はそれだけを言い残して帝王の寝室を出た。 「さて、帰るか。」 王国までは通常飛行で20分程度かかった。 王国の城の国王の寝室の窓を叩いた。 「早かったね。」 「お休みのところ申し訳ありません、こちら、神国からの念書になります。」 「本当につぶしてきたんだね・・・。」 「死人は恐らく王一人、損害は神国の城の上半分でございます。」 「たったそれだけ!?」
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