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簀巻き姫が悲鳴を上げて起きたので脱衣室を出たところで待機していた。
「し、シノブチ様?ミリィ様をお風呂に投げ込むのはお止めになった方がよろしいのでは?」
「普通に起こしていたのではお風呂の時間が無くなってしまいますし、ミリィ様が私にくれた予定では6時半起床、その後7時までお風呂となってますので、最低限体と頭を洗う時間を考慮し、風呂にてご起床して貰っているわけです。」
「はぁ・・・そうなんですか・・・。」
モモは苦笑いの表情を浮かべて脱衣室に入っていった。
「何だかんだ言って、モモもミリィ様の悲鳴を合図に仕事していますよね?」
「そ、そそそそそそそんなことないです!」
そう言う事にしておこう。
それからしばらくして、ミリィがモモと一緒に脱衣室から出てきた。
「何で毎回毎回・・・、お風呂に投げ込むのは禁止です!!」
「それでしたら、明日からはご自分でご起床ください、私が毎朝どれだけの苦労を重ねたうえでお風呂に落しているのか、考えたことが御座いますか?」
「え?あ、あう・・・ごめんなさい・・・。」
「私の前で寝坊すれば風呂に落ちるという事はすでに分かっていて覚悟の上で寝坊をしている筈でございますね?」
「寝坊するつもりなんかないんですよ。」
「良い訳は聞きたくありませんね。」
「うぐぐ・・・。」
「とにかく、寝坊してお風呂に入れない事を選ぶか、投げ込まれてお風呂に入るか、普通に目覚めて普通にお風呂に入るのか、という選択肢しかございません。」
食堂に入り、テーブルに着く。
「いただきます。」
「ひゃけうはんは「口に物を入れたまま喋らないでください、お行儀が悪いですよ。」」
「タケルさんは真面目過ぎです!」
「普通でございます。」
朝食が終わり、馬車に乗り学校に辿り着いた辺りから、急激に体調が悪くなった。
「ふ、ふふふふふふ・・・。」
「ど、どうしたんですか?急に笑い出したりして・・・。」
「ミリィ様、ついに私は死ねるかも知れませんよ・・・。」
つい嬉しくなって笑いが漏れてしまった。
体調不良だ、まさかこんな所に可能性が残っていようとは・・・。
「はははははははははは!!」
「ひぃっ!!」
「これは嬉しい誤算だ!まさか体調不良になれるとは思ってもみなかった!よし、これを悪化させて死ぬぞ!ふははははは!!!」
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