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それだってたったの356万しかかからない。
「556万も何に使えばよいのか・・・。」
「執事として必要だと思うものをそろえると良いんじゃないかな?」
国王から渋々カードを受け取った。
「先ほどの料金は後で引かせてもらうからね。」
「ついでに500万程天引きしてくれてもかまいませんので。」
「はっはっは、500万上乗せなら考えておくよ。私はこれでも安いくらいだと思っていてね、ミリィのために寝る間も惜しんで勉強に勤しんでいる謝礼もしたいのだよ。」
「専属執事として恥かしくない程度の事でございますれば。」
「ミリィは君の事を誇りに思っているようだけどね。」
「有りがたきことにございます。」
「さて、私は他の執事達にも給料を渡さなきゃいけないから、そろそろ失礼させてもらうよ。」
王様が居なくなるのを確認してカードを内ポケットにしまった。
「もう少し改造するか・・・。」
次の目標は魔法都市イシュタールだ。
シールドも並みの物と考えてはいけない。
「あの都市の助力が有ればこの新兵器も完璧になるはずだ。」
一通り満足のいく改造を終えた俺はミリィの部屋に向かった。
「お体の具合はいかがでしょうか?」
「明日からは学校に行く事が出来そうです。」
「そうでございますか・・・。」
「何でちょっと残念そうなんですか?」
「いえ、これは安心したという表情のつもりでございます。」
「タケルさんの表情は読み辛いです・・・。」
「それより、お給料をいただきました。」
「そうですか、大事に使ってくださいね。」
「はい、この先100年分の城の宿泊費及び食費に約3分の1を使わせてもらいました。」
「100年!?」
契約更新は100年後だ。
「因みに、おいくらでした?」
「1日100カラルだそうです。」
「違いますよ、タケルさんのお給料です。」
「下世話な話ですね、921万カラル頂きました。」
「私が今まで貰ってきたお小遣いの総額より多いです・・・。」
「国を落した特別報酬だそうです。」
「きっと、来週には新兵器開発の開発費用で、300~500万上乗せされますよ。」
「残りの556万はぱーっと使おうかと。」
「良いですね!私、お父様以外の男性に食事を奢ってもらうのは初めての経験です!」
「は?」
「え?」
誰も奢るとは言ってない。
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