新兵器完成

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馬車に乗り込み学校に着くと何故か他の生徒達からの視線が集まった。 もちろん俺はそれを無視してミリィの後ろに立つ。 「何でしょうか?皆の視線を集めているようですが・・・。」 「ミリィ様のスカートのファスナーが開いているせいではございませんか?」 「ッ!そう言う事は馬車の中で言って下さい!!」 「新手のファッションかと思いましたもので。」 「私は露出癖なんか持ち合わせてません!!!」 ミリィがスカートのファスナーを直していると一人の女子生徒が話し掛けてきた。 「あの、ミリィ様?」 「はい?何ですか?」 「王国が秘密兵器の開発に成功したというのは、本当ですか?」 ミリィは俺の方に視線を向けてどうなってるの?と聞いてきた。 「本当でございます、その兵器を使って神国の王城を約半分程吹き飛ばし、アビラ神国を制圧しました。現在魔法都市イシュタールより、開発の協力を打診されております。」 「そこまで喋っちゃって大丈夫なんですか?」 「問題ありません、他国にばれた所でその兵器がどう言った物かが解らなければ防ぎようが御座いませんので。」 それに、あの複雑な魔法陣を他の国で製作できるかと言われれば、無理の一言に尽きる。 「これは国家機密に近い情報なので、これ以上お話しすることは罪に問われます、なお、それを知って質問をした場合もまた、罪に問われる可能性が御座いますので、ご理解ください。」 注目していた生徒たちは皆その場でざわざわと騒ぎ始めた。 「さぁ、教室に行きましょう。朝のお茶会の時間でございます。」 教室に入ってお茶会が始まった。 「試作段階ではございますが、今日は新作のお菓子をご用意させていただきました。」 蒸しパンを袋から取り出し、皿に盛り付けた。 「あら?これは庶民の食べ物ではなくて?」 「貴方様は教養が深くございますね、その通りでございます。」 「私たちに庶民の物を食べろと?」 「滅相もございません、もしお嫌でしたらいつものクッキーもご用意させていただいております。」 クッキーを皿に盛り付けて蒸しパンの横に置いた。 「私は蒸しパンを貰いますね、タケルさんの事ですから、どうせ普通の蒸しパンではないのでしょう?」 「それは食べてみてからのお楽しみでございます。」 ミリィがワクテカしながら蒸しパンを手に取り、噛り付いた。
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