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「ふむ、倭国の人間はでたらめに強いと聞いたが、どうやら噂は本当のようだね。」
知った事じゃない、俺はさっきの草原に戻って怠惰死する。
聞こえなかったふりをしてそのまま歩みを進めた。
「君!この国に住まないか?」
「断る、俺は望みを叶えるんだ。」
きっぱりと断って先ほどの草原へ戻ってきた。
「意外と遠かったんだな・・・。」
走ってる時の感覚だと、3分くらいしか走ってない筈だが、徒歩だと1時間くらい掛かった感じがする。
「篠渕 武流君。」
聞き覚えのある声だった。
「爺、てめぇ嘘つきやがったな?」
「私は嘘なんか吐いていないよ。」
「俺は死のうと思ったが、変な女に邪魔されたぞ!」
「はっはっは、そんな事か、どうせ君は死ねないし、年老いる事もないさ。」
「なんだと?」
「私が君にあげた力は絶対に傷つかない体と不老不死だ。」
その言葉に俺は絶望するしかなかった。
「お前何なんだよ!!何で死なせてくれないんだよ!!」
「私は全知全能の神だ。」
「好きな事をしろってのはどういう事だ?」
「君は本当に肝が据わっているね。」
「お前のことはただの痛いやつって認識になった、神だと?俺から幸せを奪った存在なんか意地でも信じねぇよ。」
全知全能の神とやらは顎鬚を触りながら何かを考え始めた。
「では死に方を教えてあげよう、この世界には世界樹と呼ばれる大きな木がある。君はその木の一番太い枝で首を吊らなければ死ねない。」
「そうか、じゃあ、世界樹探しだな。」
「先ほどの国に戻って情報収集をすると良い。」
できれば別の国で探したい。
「そこのおじいさん!その人を捕まえて!!」
さっきの女が戻ってきたようだ。
「お前のせいで厄介なことになった、どうしてくれる?」
「ほっほっほ、もう一つ能力をプレゼントしてあげよう。」
ウゾリと何かが体の中に入ってきた気がした。
「彼女に着いて行って、情報を集めをするのがよかろう。」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」
「ちっ・・・。」
俺は結局その女に捕まり、あのでかい壁の国に連行された。
女の名前はミリィと言うらしい。
なんでもお姫様なんだと。
何でお姫様があんな所にいたのか不思議に思ったが、すぐに分かれるのだから聞く必要もないと、そう思っていた。
「あなたは何で死にたいんですか?」
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