新兵器完成

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結局マキがぶっ倒れるまで俺はその場に立って笑っていただけだった。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」 「ふぅ、結局死ねなかったか・・・。」 「タケルさん・・・。」 俺は拳を握ってマキの上に馬乗りになった。 「ふん!!!」 俺の振り下ろした拳は空気の層を突き破り、マキの顔の10cm横の地面に突き刺さった。 「何の真似だ?」 「勝負あり、でございますね?」 「また仕事モードか?」 「ミリィ様が泣きそうな顔で見ておりますので、本職に戻らせていただこうと思います。」 「・・・・・・。」 「なにか?」 「はは、ははははは、あーはっはっはっはっはっはっはっはっは!」 マキは狂ったように笑い出し、起き上がって俺に握手を求めてきた。 「参った、あたしの負けだ!!」 鋭い犬歯をむき出しにして笑うその笑顔はその手を握る事をためらわせた。 「今度は握力勝負でございますか?」 「んなこたぁしねぇよ!ただの握手だ。」 俺はその手を取って握手を交わした。 「上に行けばカードが出来てるはずだが、その前に服を着替えろ。」 「もう済んでおります。」 試合終了と同時に鞄から執事服を出して着替えた。 「流石はロイヤル執事、隙がねぇや・・・。」 「タケルさん?体は大丈夫ですか?」 「金属で叩かれて何の以上も無い体が、人の拳でどうにかなるとでも思って居るのですか?」 「ちょっとくらい素直に心配されてくださいよ・・・。」 ミリィの頭にポフリと手を乗せてふむと頷く。 「満身創痍で動けなくなっているよりは、全然ましだと思います。」 「おい、執事!」 「はい、何でございましょう?」 「国王に獅子の咆哮のギルドマスターがよろしく言っていたと伝えてくれ。」 「畏まりました、マキ・D・タリリアント様。」 「チッ・・・てめぇ知ってやがったのか。」 「平民と駆け落ちした所までは知っております。」 「ケッ、くえねぇ野郎だ・・・。」 「貴方のご子息様に王位継承権が御座いますが、いかがいたします?」 「いらねぇよ、んなもんはとっくの昔に捨ててんだ。」 「左様でございますか。」 「ミリィはあたしの大切な姪なんだからな、絶対に危険な目にあわすんじゃねぇぞ!?」 「約束できかねますね、何分私も多忙な身の上でございまして。」 「甲斐性なしめが・・・。」
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