猫がいる日

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帰宅を国王に報告した後俺はミリィの部屋に向かった。 「失礼いたします。」 「あ、今着替え中なので。」 「はい。」 俺はドアを開けて中に入った。 「着替え中だって言ったじゃないですか!!!」 「従者として着替えを手伝うのは当たり前だと、以前も申し上げたはずですが?」 「その時も一人で大丈夫だって言いました!」 「やる気の問題でございます!」 「こんな時ばかりやる気を見せないでください!」 俺は溜息を吐いて部屋を出て扉を閉めた。 「もう大丈夫ですよ。」 「失礼します。」 再び入室して、ミリィの横を素通りしてベッドで丸くなっているリリィにおもちゃを与えた。 「ミリィ様、ただいま帰りまして御座います。」 「さっき覗かれたから知ってます。」 「覗きとは失礼な、ミリィ様の未成熟な肢体では欲情のよの字も起きませぬ故、覗くほどの価値はないかと。」 「タケルさんの方がよっぽど失礼です!私だってレディなんですから、そんな事を言われてしまうと傷つく事だってあるんです・・・。」 「そうですか、それは大変失礼しました、お詫びにこちらの品をお納めください。」 ミリィのために買ってきたかわいい感じのオルゴール付きの小物入れとシルバーでハート型のネックレスを差し出した。 「え?私にですか?」 「要らぬというのなら、モモにでもプレゼントいたしますが。」 「要ります!下さい!!」 俺は箱の中にネックレスをしまってミリィに渡した。 「本当に貰ってしまって良いんですか?」 「問題ありません、そんなに高価なものではありませんが。」 「因みにどれくらいですか?」 「オルゴール付き小物入れ10万カラルと本シルバーのネックレス5万カラル、合計15万カラル程度でございます。 「じゅ、じゅうごまん・・・。」 「はい、私様に購入いたしました万年筆と同じくらいの値段にございます。」 因みに懐中時計は40万カラルだった。 「それでは夕飯までの間に勉強の最終チェックを行いましょう。」 ミリィは小物入れを机の引き出しにしまって椅子に座った。 「私が問題を出しますので、わかる範囲でお答えください。」 「はい、お願いします!」 ふんす!と鼻息を荒くして姿勢を正す。 結果は歴史以外が95点以上、歴史は100点だった。 「これでも王族ですからね!」
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