53人が本棚に入れています
本棚に追加
「世の中ってやつに嫌気がさしたからだ。」
「それで死のうと思うなんて・・・。」
「世界の方が消えてくれれば、俺は死ななくていいと思う。」
つまり、世界に存在することが嫌なのだ。
「一国の姫として、あなたを保護観察します!」
「余計なお世話だ、どうせ役に立たないってわかったら捨てるんだろ、だったら最初から保護するとか言うんじゃねぇよ。」
どうせこいつも、親戚たちと同じだ。
「それなら、あなたを私の執事として雇います!」
はぁ、本気でうざってぇ・・・。
雇えるもんなら雇ってみろ、万が一雇ったとしても、こんな屑なんか3日でくびになる。
「まずはお父様に紹介しますから、付いて来てください。」
国の中に連れ込まれ、でかい城の前まで来た。
「おかえりなさいませ、姫様。」
「門番、ご苦労様です。」
「はっ!猫の子一匹通しません。」
ごみ屑が一つ通りますけどね。
俺は軽く頭を下げて城門をくぐった。
「おかえりなさいませ、姫様。」
「お掃除お疲れ様です、あなた達のおかげで私たちはいつも気分良く過ごせてます、ありがとう。」
「もったいないお言葉です。」
その後もすれ違う人たちに挨拶をして回る姫様。
「ここが謁見の間です。」
「ああ、で?」
「ここで待っていて下さい。」
姫様はでかい扉の横の小さい扉から中に入っていった。
「どうぞ。」
数分して、姫様はその扉から俺を招き入れた。
「君が娘の命を救ってくれた少年かね?」
「あそこで死なれて、あの世まで付いて来られたら嫌だったので。」
「そんな理由で助けたと申すか?」
「他に助ける理由なんてありませんでしたので。」
「無礼者!国王、この物を即刻死刑に!」
死刑!?そりゃ良い、是非ともやって欲しい。
実際に死ねるのなら、なんだって構わないのだ。
「世界樹の場所さえ解れば勝手に死にに行きますんで、死刑にする際には世界樹の場所を教えてください、自分は不老不死らしいんで、死ぬには、世界樹の一番太い枝で首を吊らなきゃいけないらしいんですわ。」
「でたらめを申すな!この場で手打ちにしてくれる!!」
王様の側近らしき男が剣を抜いてそれを振りかぶる。
俺は地面に膝をついて首を差し出すようにうなじを見せた
本当に死ねないのか、傷つく事すらできないのか、それを確かめたいと思った。
最初のコメントを投稿しよう!