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「私もセンスが有る訳ではございませんが、おしゃれはこの程度でよろしいかと、私は廊下で待っておりますので、着替えて出て下さいますよう、お願いします。」
数分後、ミリィは俺が渡した服に着替えて出てきた。
「ふむ、髪形も変えてみましょう。」
長い後ろ髪を一つに結い、邪魔な横髪をヘアピンでクロスに止める。
「これで完成です。」
「かわいいですか?」
「ふむ、馬子にも衣裳でございます。」
「な!?」
「冗談でございます、とっても良くお似合いでございます。」
ミリィを食堂に連れて行き、席に座らせて後ろで待機。
国王はいまだにチマチマとパスタを食べている。
「タケルさんは食べないんですか?」
「すでに食後にございます。」
「一緒に食べたかったです。」
「着替えに時間をかけ過ぎなのです。」
「国王様、そう言った物は一気に食べてしまった方が辛くないのでございますよ?」
「そ、そうなのかい?」
「チマチマ食べるとそれだけ苦痛が長くなります。」
国王は意を決した感じでパスタを掻き込んだ。
そんなに辛いのなら残せばいいのに。
「ふぅ、スッキリした・・・。」
パスタを一気食いした国王が呟く。
「そうでございましょう?」
「心なしか肩が軽くなった気がする。」
滝の様に汗を流す国王は、風呂に入るらしい。
ミリィも食事が終わったので一緒に部屋に戻ることにした。
「さて、午後は勉強の予定でしたが、お忍びで街に出て買い物でもしてきましょう。」
「え?良いんですか?」
「テストの出来も悪くありませんでしたし、今日一日くらい大丈夫でございます。」
と言う事で今日は買い物に行くことにした。
「しかし、学校を休んでしまっていることは事実でございますので、帰ったら今日の分の勉強をしましょう。」
「うへぇ・・・。」
「学校に行っていない私が保証しますが、教養は大切でございます。私は学歴が低いため、国を背負う立場になったらミリィ様に頼らざるを得ませんので、ミリィ様にはしっかりと勉強をしてもらわなければならないのです。」
「ぷ、プロポーズですか!?」
「国王の決定を、ただの従者である私が断れるとでも?」
「嫌だったら、断っても良いんですよ?」
「既に逃げ場は無いのですよ。」
用意周到な国王の事だ、何か考えが有るに違いない。
力でねじ伏せるか?
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