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「止めなさい。」
「しかし、姫様・・・。」
「彼は死を望んでいるのです、それはきっとあなた達の様な器の小さい人間たちに虐げられて生きてきたからです。」
「ぐっ・・・。」
「君は魔物を倒して、ミリィをこの国の門の所まで運んできたそうだね?」
「あそこに放置して置いたら他の動物に殺される可能性があったから、それで助けただけです。」
「お父様、この者を私の執事として雇う事は出来ませんか?」
「君、名前は何というのかね?」
「篠渕 武流です。」
「ふむ・・・、倭国の出身か、この国ではファーストネームが最初に来るから、これから自己紹介の時はタケル・シノブチと名乗るのがいいだろう。」
さようで。
「タケル君、君はミリィが命の危機に陥ったとき、ミリィの事を命がけで守ることができるかな?」
「自分、死ねないんで、命かけるのは無理っすけど、この姫様が死んだ後まで世話するの嫌なんで、不本意ではありますが守ります。」
「合格だ、タケル君、君をミリィの執事として雇わせてもらう。」
「どもっす。」
「良かったですね。」
良くない、全然よくない。
「仕事はきっちりこなすんで、世界樹の事を調べさせて下さい。」
「城にある資料なら好きに読んでもらって構わないよ。」
「あざっす。」
「この者を執事服に着替えさせ、執事としての教育を行ってくれ。」
「かしこまりました。」
俺はその後、執事の控室に連れて行かれ、服を着替えさせられ、2時間くらい講習っぽいものを受けてここに行けと地図を渡された。
「ここか・・・。」
入室前には必ずノックをする事。
コンコンコン。
「はい、少しお待ちください。」
入室するときには必ず挨拶をする。
「失礼します。」
俺はきっちり挨拶をして部屋に入った。
「ま、待ってくださいってば!!」
そこにいたのは下着姿のミリィだった。
いかなるお世話も照れてはいけない。
「着替えをお手伝いいたします。」
「何で平気で入ってくるんですか!?」
どのような質問にも冷静かつ丁寧な対応をする事。
「執事長から、いかなるお世話も照れてはいけないと。」
「あなたは仕事の前に一般常識を学ぶべきです!!」
「はぁ、さようですか。それでお着替えの方は?」
「一人で大丈夫です!!」
「それでは着替えが終わりましたらお呼び下さい。」
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