超特殊ギルド獅子の咆哮

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ミリィの部屋の前では執事長、メイド長、国王がドアをノックして呼びかけていた。 「国王様、ただいま戻りました。」 「タケル君!?先ほど場末の小さなギルドから黒騎士が出てきたと言う話があったが・・・。」 「少々失礼します。」 ノックもなしにミリィの部屋のドアを開ける・・・事が出来なかった。 「ミリィ様、これをどかせ、さもないと吹き飛ばして中に押し入る。」 「ちょ、それはあまりに横暴ですよ!!」 「10,9,8」 中ではドタバタしている音が聞こえてきた。 「7,6,5」 「待ってください!・・・ほどけない。」 「3,2,1」 「4が抜けましたよ!」 「俺は4が嫌いなんだ。」 押して開くドアを思いっきり引っ張って開けた。 「あーあー。」 「何ですか!?今のバキバキって音は!?」 「次はこのバリケードだな。」 隙間に指を差し入れて横にスライドさせて箪笥をどかす。 「君は本当に馬鹿力だな。」 俺は国王の言葉を無視して中に押し入った。 「ミリィ様、立て篭もる等無駄でございます。」 「タケルさんが居なかったら有効でしたよ。」 「天岩戸はいずれ開かれる運命なのですよ。」 中に押し入って中の様子を探る。 「これは何でございますか?」 「こ、これは、その・・・。」 そこにあったのは、いかにも手書きの黒騎士様グッズ。 「はぁ・・・、モモ、貴方が居ながらなんですかこれは?」 「も、申し訳ありません。」 「ご、極秘情報ですから内密にお願いします。」 「極秘にしたいならそれはそれでかまいませんが、あの様子ですと、あと2週間もしたらもっとたくさんのグッズが街に溢れますよ?」 それにしてもだ、これは無いだろ・・・。 麦わら帽子の頭に羽が刺さった物、段ボールを輪切りにしたとしか思えない鎧、マントのつもりなのか真っ黒な布切れ。 「小学生でももう少しまともな物が作れますよ。」 「ふぇえ・・・。」 ふええじゃねぇよ、どう見たってゴミだろ? しかし酷い、少ししか見てなかったとは言ってもだ、俺がこれを着てさっきの姿に近づくと思うか? 「モモ!なぜ貴女が付いていながらこの様な出来になるのです!?」 「わ、私はお止めしたのですが・・・。」 「止めても無駄なのは良く解っているでしょう、ならばせめて上手く作る手伝いをするのが貴女の仕事です!」
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